愛知県内の高校サッカーチームが参加するリーグ戦。今年3年目を迎えた自主運営リーグへの参加チーム数は50を超え、年々その規模は拡大し続けている。
*アイリーグの正式表記は【Iリーグ】です
なぜアイリーグは重要なのか
「出場機会を提供する」普段は出場機会の少ない選手へ、その機会を提供するのがアイリーグの趣旨だ。自主運営とはいえ、公式戦の雰囲気を感じられる試合となれば、選手たちの士気は必然的に上がる。
12月26日に観戦したアイリーグ最終戦。やはり公式戦の雰囲気を感じることができる。仮にこの試合がアイリーグでなければ、その風景は練習試合と何ら変わらないのかもしれない。
非公式戦とはいえ、まるで公式戦のような緊張感を与えられるのがアイリーグだ。だからこそ出場機会の少ない選手にとって、アイリーグは非常に重要な存在であるのだろう。
ニーズ
アイリーグは時代のニーズに適合していると断言できる。なぜならその趣旨は、非常にわかりやすく、参加障壁を感じさせないからだ。
時代の流れに沿うように変化し続けるニーズ。そのニーズも多様化し始め、その姿は昭和のものとも平成のものとも違う。たった三年で50を超すチームからの反応を得られるのは、時代のニーズに適合している証拠だと考えていいだろう。
カテゴリー
アイリーグは育成リーグと普及リーグの二つのカテゴリーに分けられる。どちらのリーグへ参加するかは、参加チーム自身で決められるらしい。
育成リーグと普及リーグへの参加チームが出揃ったのち、各チームは各ブロックへ分けられていく。
育成リーグは試合結果を追求し、普及リーグは柔軟なチーム編成での参加が可能だ。要は人数不足でも助っ人を呼び参加できるなどのオプションを備えているのが普及リーグである。時には教員も加わって試合することもあると聞いた。
レフリー
高校生レフリーで試合は運営されている。アイリーグでは、選手だけでなくレフリーからも一生懸命さが伝わってくる。そんな彼らの一生懸命な姿は、私たちコーチも見習うべきだろう。
私は練習試合の風景で唯一と言っていいほど嫌いなものがある。それは、フィールドの中央で立ったままジャッジをするレフリーの姿。たとえ練習試合であってもレフリーは一生懸命になることが重要で、ジャッジに対して責任を持つべきだと考えている。
なぜならレフリーの振る舞いは試合の重要度を高め、いつもの、そのたった1試合が選手の将来を変えてしまう可能性もあるからだ。
このIリーグではジャッジの正確さよりも、高校生レフリーの一生懸命さを大いに評価したい。そして彼らがIリーグの可能性を広げる存在になるような気さえしている。
まとめ
潜在的ニーズを見抜き、このアイリーグを着実に進歩させてきた主催者には先見の明がある。また、周囲を巻き込む能力の高さも評価すべきだ。今後アイリーグはどのような成長を遂げるのかに注目していきたい。
部員数の減少により、チームを組織できないのは中学と高校に共通する課題だろう。そんな状況にあって、このアイリーグはいくつかの改善策を提案している。この仕組みはサッカーだけでなく、もしかすると他の種目が抱える課題解決のヒントに繋がるかもしれない。
いまの環境に課題があるのなら、このアイリーグを観ることを勧めたい。なぜならこの仕組みは学校スポーツのあり方に新たな視点をもたらし、指導環境を改革する強い力を秘めているからである。
2025年に四年目を迎えるアイリーグは、60を超すチームの参加が見込まれているそうだ。