乳酸の正しい理解

激しい運動をすると脚が上がらなくなります。これは乳酸という物質が体内に作られる(産生)ことで起こる現象です。

この乳酸についてですが、一般的なスポーツコーチに正しく理解されていないことがわかりました。自身も長い間、乳酸のことを正しく理解できていませんでした。

この記事は、乳酸を正しく理解できるように、下の文献を参考にして簡単にまとめてみました。

参考文献:疲労のスポーツ・運動生理学 ショーン・フィリップス著

乳酸の重要な役割

「乳酸は身体を疲れさせる老廃物、または疲労物質」。いわゆる悪者と理解しているのではないでしょうか。しかしこの理解はどうやら正しくないようです。

血液の中/筋肉の中に作られる乳酸の増加は、パフォーマンスの低下をもたらす、疲労の直接的原因ではない。また、高い強度の運動でつくられる乳酸は、運動を行うための重要な役割を担う。

乳酸の重要な2つの役割

①乳酸の産生の増加は、筋内の酸性度の上昇を防ごうとした結果であり、疲労の発生と同時に起こる。つまり、乳酸は、運動をより長く続けるために役立っている。

②乳酸は老廃物ではなく、運動時・運動後のエネルギー源となる。産生された乳酸の約75%は骨格筋でエネルギー源として利用される。

一般的解釈から正しい理解へ

一般的に乳酸は、不要な物質で身体に疲労をもたらすと、多くのコーチはそう理解しています。しかし上の説明からも分かるように、乳酸には役割があり、運動を継続させるための重要な物質だということが分かります。そして、身体というものは、原則的にエネルギーを無駄にしないという理論にも説明がつきました。

乳酸は単に身体を疲れさせる老廃物、または疲労物質ではなく、運動を継続させるために身体の中で活躍している物質だと覚えておいてください。


ChatGPT

ChatGPTへの質問:運動時に産生される乳酸の役割について説明してください。

運動中に産生される乳酸は、酸素供給が不足している状況下でエネルギーを生み出すための代替手段として働きます。通常、私たちは酸素を利用してエネルギーを生成しますが、高強度の運動や長時間の持久運動など、酸素供給が追いつかない状況では、乳酸が生成されます。

乳酸は、糖質代謝の結果として生じる乳酸イオン(ラクタート)の形で存在します。乳酸は筋肉内で生成され、血液中に放出されます。乳酸の蓄積は、筋肉の疲労感や燃え尽き感を引き起こす原因となることがあります。

しかし、乳酸は単に疲労物質ではなく、いくつかの重要な役割を果たしています。乳酸は、エネルギー代謝における重要な中間物質であり、酸素供給が回復した後に再利用されることが知られています。また、乳酸は筋肉の収縮に必要なエネルギーを供給するため、一時的なエネルギー源としても機能します。

さらに、乳酸は血液中のpHを下げる働きもあります。高強度の運動中には、乳酸の蓄積によって血液中のpHが低下し、酸性化が起こります。この酸性化が筋肉の疲労を引き起こす一因となることがあります。

乳酸については、従来は筋肉の疲労の主な原因とされてきましたが、最近の研究ではその役割はより複雑であることがわかってきています。乳酸の働きについてはまだ解明されていない点もありますが、運動におけるエネルギー代謝と密接に関連していることは確かです。

重要なのは、適切なトレーニングや適度な休息を組み合わせることで、乳酸の蓄積や酸性化を最小限に抑えることができることです。また、体力と持久力の向上には、乳酸耐性を高めるトレーニングや適切な栄養摂取も重要です。

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