褒めことばの作り方「You or I 」

褒めことばは相手をやる気にさせる、効果的な指導スキルです。経験が豊富なコーチほど、この褒めことばの使いかたに長けています。

2つの立場(スタンス)を使い分けると、褒めことばの伝わり方が大きく変わります。

褒めことば「You or I 」

YOU を使った褒めことばと I を使った褒めことばのちがいが分かる文を紹介します。

ひとつは、”YOU”のスタンスで相手を承認するもの。

「よくやった!」「やればできるじゃないか」「優秀だね」

2つ目のタイプは、相手が自分に対してどういう影響を与えたのかを言葉にするもの。つまり”You”ではなく”I”の立場。

「きみががんばっているのを見ていると、僕もやる気が高まるよ」「今日のきみのプレゼンは安心して見ていられたよ」

新 コーチングが人を活かす 鈴木義幸 著

You と I では何がちがうのか

Youで褒めた時と、Iで褒めたとき、相手の受けとり方は変わってきます。

Youの立場

受け手があなたのことを尊敬していて、自分のことを評価するに値する人だと思っていれば話しはべつですが、そうでない場合、このタイプの承認は受けとりにくいものになるかもしれません。

褒めことばの殆どは、このYouではないでしょうか。このYouの立場で褒めることの弱点は、相手が褒められることを目的するようになることであり、次第にコーチは、褒めることに忙しくなることです。

Iの立場

このタイプの承認は相手の中にストンと落ちます。こちらはそう思っているのですから、それは否定のしようがないわけです。そして、いわれると、とてもうれしいものなのです。

自分がやったことに対しての評価を受け取りやすいのが、このIの立場の褒めことばだと考えています。もしかすると、日本人コーチと外国人コーチのちがいがここにあるかもしれません。

参考文献
新 コーチングが人を活かす 鈴木義幸

サッカーコーチはYOUかそれともIか

サッカーのコーチたちの褒め言葉を分析してみました。すると、ほとんどの褒め言葉はYouの立場でだということが分かりました。いちど自分の褒めことばを分析してみてください。もしそこに改善する必要があれば、相手の成長に何らかの変化が出てくるかもしれません。

関連記事